人間関係のやりとりは、お互いのキャッチボール。

他人とのコミュニケーションは、双方の間で行われるキャッチボールのようなものです。お互いに、投げ合って、受け止めあっていくことで、相手のことが良く理解できますし、信頼も生まれていきます。

人間関係の相談で、「相手が何を考えているのか、よくわからない」「相手がどう思っているのか心配だ」というものがあります。

私たちには、感性が備わっていますから、相手のすべてを知ることはできなくても、だいたい、こういう感じだろうな、という想像力に基づく解釈をすることが可能です。

それができない関係というのは、「双方の、キャッチボールになっていない」ためではないでしょうか。このような悩みを抱える方は、一方的に、自分は投げるだけ、もしくは、自分は受け止めるだけ、になっていて、双方のやりとりが不足しているケースが多いです。

自分が投げるだけでは、受け止める方の気持ちはわかりません。相手の立場が理解できなければ、想像力も働きません。想像力とは、自分の理解できる感性の範囲で働くものだからです。全く知らないことは、想像しにくいです。

自分がボールを投げてばかりいて、相手が受け取ったかどうか、または、どんな受け取り方をしたか、その際の反応は、という点を考慮する気持ちが、薄れていないでしょうか。自分が投げるボールに、相手が合わせてくれるハズ、合わせてくれるべき、と思っていないでしょうか。

または、いつも受ける側になっていて、受け取る際のリアクションに気を配らなくても、こちらから投げ返さなくても、相手はいつでも、相手のペースで、自分に向けてボールを放ってくれるハズ、そうすべき、と、思い込んでいないでしょうか。相手にだけ能動性を求めることは、依存でもあると思います。

相手の反応に合わせて、投げる・受け止める、役割を、その時々で入れ替えながら、一方的にならないようにして、お互いを理解しあっていく姿勢が大切だと思います。

自分の得意なポジションだけでなく、もう一方の立場も、経験してみることは、相手の気持ちになって寄り添うという、想像力の発達に役立ちます。

そして、相手にも、自分の立場を理解してもらえる、という、相互の成長に繋がっていくのです。

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