ご家族や親戚の中で、「ひきこもってしまうお子さん」がいるというご相談をときどきいただきます。そうなってしまうのは、「何か、そうなるだけの理由がある」もので、何もないところから引きこもるケースはまれですね。
引きこもりをしている様子にいだく、一般的なイメージの中には、とても甘い考えをしているとか、怠けているというものも一部含まれるかもしれません。
けれど、実際には、ただの怠けでの引きこもりというのは・・・ほとんどないと思われます。
また、考え方の甘さがある場合でも、それだけでは、引きこもりにまではならないものではないでしょうか。甘さから、無責任さがでたり、依存的になったりすることはあっても、そのことと、引きこもることは別ですから。
客観的にみて、些細に思えてしまうことでも、「本人的には辛い、何かがある」のだと思います。
引きこもっているのを、何もしないで見守るだけでいいのかというご相談もうけることがあるのですが、それはケースバイケースで、すべてのケースにはあてはまらないと思います。
お子さんがまだ小さいうちは、そういう方法が最適なこともあるでしょう。子どもの頃は成長の度合いも大きいですから、ほんのちょっとした変化やきっかけでまた、元のように元気になったりやる気になったりすることも期待できます。
いろんな「行事」「イベント」がたくさんあるので、自然と変化のきっかけが得られることもあるでしょう。
また、進級、進学、クラス替えというような、今までの環境がリセットされるチャンスがたくさんあります。これらが、役立つことは多く、変わるチャンスが何回もあるといえます。そういう時期にあわせて元のように馴染んでいくことは、本人的な「きまりの悪さ」を覆ってくれることも、助けになったりします。
そういう機会がたくさん与えられる時期であれば、見守って自然に任せることも役立ちますが、年齢が重なると、一律の変化にまぎれていけるという機会もへりますので、そのあたりを考慮することも必要かと思います。
子どもさんが小さいうちは、ご両親もまだ若いので体力が十分にあって、いろんな配慮も対処も可能ですが、お子さんが大きくなればその分、ご両親も年齢を重ねて体力が下がるので、現実的な考え方、とらえ方も必要になってくるかと思います。
だからといって、無理に外に出すとか、引きこもっている環境を変えさせるべきということではなくて(^_^;)、大人の側からできることとして、何か方法はないかと探ったり、助けになることはないかと調べたりすることで、思わぬところからヒントが見つかったり役立つものがわかったりして、よい方向にいくこともありますのでね。
そこはやはり、専門家に話を聞くことも役立つでしょう。教育の機関とか、地域のサポート機関とか、今はいろんな方法があり情報が集められますので、まずは情報収集をしてみる、すぐにつかわなくても情報収集を「しておく」ことは備えになります。
こういうことは、文章で理想を書くのは簡単です。しかし、実際に対応するのは難しいです。ひとりひとり、親子といえどもたましいの個性は別であり、こだわるポイントも違いますし、今は昔と違って、子ども同士の世界も大人同士と同じように複雑になっていますから、思いもよらないところで人間関係の辛さがあったりしますから。
しかし、そういうことも、大人が理解してあげることで、子どもさんの気持ちが満足したり、自分のために大人がいろいろ手を尽くしてくれているというそれ自体が、力になってやる気を引き出すこともあります。
お子さんの年齢が、「一律の、変化のチャンスとなるイベント」がたくさんある時期(つまり幼い時期)なのか、その時期を過ぎつつある年齢なのか、または既に大人にさしかかっている年齢なのか、そういう点も、お子さんの今後のために、どのようなアプローチが適しているかという、判断のポイントのひとつとなるでしょう。
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