ひとつ前の記事で、似ている人同士の関係を通した、もっとも大きい学びは「自分のよいところを肯定できる」「自信を深めていけるようになる」ことにあると書きました。
できごとに含まれる学びはいくつもあり、他にもいろいろな要素の学びは含まれていると考えられます。「複雑で細かい感情を伴って、相手について考えたり、自分について気づいたりする機会が得られる」ことも、そのひとつでしょうね。
これは、似ている人同士の関係を通すほうが、認識しやすいものなのです。
比較のために、価値基準が違いすぎる相手に抱く、怒りの感情を思い出してみてください。「普通に考えたらそのくらいわかるだろう」「どこからそんな解釈がでてくるのか」「自分の都合しか考えないんだな」と、とってもシンプルな感情ばかりになります。
とってもわかりやすい怒りになることが多いですよね。
一方、価値基準がよく似ている相手だと、「普通に考えたら○○だ」という基準も、「何を優先するか」という解釈も近いので、そこまでの怒りの感情がわくことはないです。
それでも、細かいところの差はでてくるでしょうし、そのときの気分や体調の上下によって、ビミョウに合わないこともありますよね。そうなったときにでてくるのは、
簡単に言葉にあらわしにくい複雑な感情です。
まったく価値基準が違っている相手との隔たりは大きいですから、間に生まれた感情をあらわす表現はザックリしたもので十分ですが、
価値基準が似ている相手との隔たりは小さいので、そこに発生した感情というのは、すぐに言葉にできない、ひと言にまとめられない複雑で繊細なものを伴います。
あの件は、普通に考えたら○○だけれど、そうならないということは他にも理由があったのだろうか。でも、よく考えたら自分だって同じことをしていないとは限らない(だって似ているのだから)。自分は気づいていないけれど、相手もそう思うこともあったかもしれない。だとすれば・・・と、
いろいろなことを考えるのは、小さい隙間にはまる、小さい感情の違いだからです。
こうした気づきが得られるのは、似ている人同士の関係です。
大きな隔たりがない、小さい隙間に挟まったものを見つめていくことで、考えさせられたり、気づかされたりする機会がでてくるということです。
似ている人同士の関わりは、そういうことを学び合う機会でもあるのですね。
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