仕事の経験年数が増えることで、飽きたり、迷ったりという、いろいろがでてくる。

仕事をして、10年くらいかまたはそれ以上の経験が重なると、ちょっと「今までと何かが違ってきてしまう」ことから、停滞感がでてくることがあります。

通常は、経験が多くなるほど、技術がうまくなったり、進めていく際のポイントがわかるという優位性がでてくるイメージがありますよね。そういう部分ももちろんあるのだけれど、そうでない部分もでてきて・・・、

うまくいかないわけではないが、「何かしっくりこない感覚」、「何かが違っているような感覚」になり、仕事への意欲が薄れてしまったり。

そうなるのは、「自分だけの原因」と、「自分と相手との関係性による原因」とが考えられます。

自分に関する変化。

自分だけの理由とは、まず単純に「長く続けたことで、飽きてしまう」ことが考えられます。仕事そのものについても、会社についても、世の中の構造についても、知識と経験が増えてくるにしたがって、わかることが増えていき、わからないことが減っていきます。「このように働きかければ、結果はだいたいこんなふうになる」ということが想像できてしまうので、新鮮さがなくなります。

そしてもうひとつ、こちらは女性に多いですが、体力や気力の低下です。昨日と今日の差や、今年と昨年の差は小さいため、日々の連続性の中にいると自分の変化に気づきにくいですが、やはり年齢とともに、疲れやすくなったり、記憶力が下がったりします。そうすると、仕事が嫌なわけでも、会社に不満があるわけでもなくても、仕事そのものに対する緊張感や、自分の思い入れも下がってしまう現象が起こります。

自分と相手との、関係性の変化。

仕事上の人間関係の構図が変わっていくために、やらなければならないことが変わったり増えたりして、それに自分がはまっていくことに難しさがでてくることがあります。

ご相談をいただく中で、とても多いのが、「上司との年齢差が小さくなることで、昔のようにいかない」というストレスを抱えるケースです。新人の頃には、とても上司に可愛がられた人が多く、なぜ前のようにうまくいかないのだろう?何も自分は変わっていないのに?と、理由がわからなくてご相談をいただくのですが、その理由は年齢差にあります。このケースに当てはまる方は、親子くらいの年齢差がある上司とうまくやっていくことが得意なのです。そのため、上司との年齢が近くなることで、以前の優位性がいかされなくなります。

他にも、中堅の位置になることで、仕事の全体像をつかみにくくなることもあるようです。新人の頃は、上司の補佐的な業務をすることで、上司が担当している内容などから会社の全体像を「知っていく」こともありますよね。中堅になると、任される役割が変わっていき、既にある知識がいかされるかわりに、新しい「今の動き」の情報から遠ざかってしまうことも部署によってはでてきたりもするでしょう。

個人で行う自営業の仕事であれば、経験とともに以前からのお客さんの年齢も上がっていきますから、自分が提供しているサービスと、求められるものが一致しなくなることもあります。お客さんが入れ替わることで、常に新しいお客さんとの信頼を一から作らなければならなくなったり、または、そうした切り替わりの変化がスムーズにいかなくて負担が大きくなるケースもあります。

経験が増えていくことの、メリットもある。

このように、新人の頃には思ってもみない、経験が増えたからこそ気づく問題というのが、常に発生してきます。経験が増えていることの優位性も勿論あるけれど、新たな問題のほうが負担が大きかったりして笑、なかなか楽にならないものですが・・・。

しかし、だからこその学びでもありますので、人生というのは変化の連続で、どの瞬間にも「いろいろ」あるのが当然という、そうした受け止め方も必要なことだと思います。

そして、どんな場合でも、「うまくいかないことは目立ちやすく、わかりやすい」ですから、そちらばかり目立ってしまうだけ、ということもわかっておきましょう。変わらずうまくいっていることや、前よりうまく行くようになったことも、ちゃんと存在してはずですから。

経験がある今だからこそ得られている点を、改めて探してみると、心の中のバランスがとられていくと思います。

いずれ、今の状態からも変化していく。

上記のようなことは、多かれ少なかれ、誰にでも起こることです。この世には時間というしくみがありますから、ずっと同じままにはなりませんからね。

時間がある以上、そういうことがいろいろ起こると言えると同時に、しっくりこない気持ちも、前のようにはスムーズではないという事実も、時間とともに、また別のものへ置き換わっていき、同じままにはなりませんね。

人生の先輩達も、自分と同じようにいろいろを超えて、今に至っていると思えば、それが、今後の希望になり、指針にもなるのではないでしょうか。

これまで人生を進めてきた自分を信じて、そして、先輩達の背中を見つめて、できることを重ねていくことで、自分が進むこれからの道を作っていけると思います。

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