自分の得意なことを、他人との関わりが気づかせてくれる。

自分にとって得意なことは「ふつう」に思えるものです。そして、自分が苦手なことがうまくできる他人を「すごい」と思うものです。

得意なことほど、自分にとって自然なことなので、このくらい誰でもふつうにできるものだ、とか、そんなに価値はない当たり前のことだと思いがちです。

しかし、自分以外の人からすると、とても難しくて、スペシャルな価値があると、評価されることかもしれないのです。

自分が思う一般的と、世間の一般的は、同じであるとは限りません。

自分ではふつうと思っていることの中に、他の人からすれば「羨ましい」「すごい」と思えるようなスペシャルが存在することがあります。

その探し方についてですが、自分ひとりだけで思考をしても、比較対象がないので、なかなか見つかりません。こういうことは「他人が気付かせてくれる」ものです。

自分がふつうだと思っていることに対して「それ、すごいね」と意見を言ってくれる他人がいるからこそ、比較ができて、自覚ができます。

つまり、他人と関わる機会をたくさん持っている人ほど、そのような意見をいただく可能性が出てくるわけで、「他人と関わる機会とは、平均より秀でた部分を自覚するための機会」でもあるのです。

自分の長所がわからない、周囲からどのくらい評価されているのかわからない、という人の多くは、人と接することが苦手か、嫌いです。そうして人間関係を遠ざけているので、自覚の機会が得られません。

人と接するのは、いいことばかりではなく、面倒なことも増えるし、時間も手間も掛かるけれども、それだけの価値がある大事なことです。人と関わるほどに、自分を知ることができます。自分が見えてくるようになります。

人間関係とは、お互いに「気付かせる役割」を、無意識のうちに行っているものなんですね。

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