女性の人間関係のポイントは、「共感」の重要性を理解すること。

女性同士の人間関係では、「それ、私と似ているね」という親しみとか、「あなたのその件、私もわかる」という分かち合いなどの、共感がとても重視されます。ここが上手にできるか否かで、女性同士の人間関係のスムーズさが決まるともいえます。

女性同士の関係が上手にできない人は、共感を示すことが上手でないか、またはその重要性を理解していないかのどちらかであることが多いです。

女性の人間関係は「横繋がり」

男性同士の人間関係とは「縦の序列」で作られることが多く、女性同士の関係は「横繋がり」で作られることが多いです。

たとえば、男性同士の上司部下で仲間のような関係になることは少ないし、同僚同士で連絡しあったりすることもほとんどないと思います。つきあいの延長でゴルフにでかけるくらいはあるかもしれませんが、女性同士のような繋がり方にはなりませんよね。

女性同士の関係は、どのような立場であっても「横繋がり」の要素が少なくないです。たとえば親子でも友だちのような関係になることもあります(男性同士の友だち親子はいませんよね。男性は親子であっても縦の繋がりだからです)。

横並びの関係においては、感情を共有するとか、同感であることを示すことが「繋がるための材料」となるわけです。ここが上手な人は関係の構築や維持がスムーズであり、うまくできない人や、その必要性がよくわかってない人は浮いてしまうことがあります。

繋がりをつくるのは、感情の共有。

男性が縦の序列になるのは、共感することにそれほど価値を覚えない感性を持っているから、ともいえますし、共感する力が女性ほどには発達していないからでもあると思います。女性は、性別的な特徴として「細かいところに気配りできる感性」や「感情を把握する力」が男性よりも秀でています。そのため、人間関係において、共感という要素が占める重要性が高くなるということです。

女性であっても、共感がうまくできないケースがある。

男性と女性の共感する力を、性別ごとでまとめてしまうと、男性<女性 という構図になることはあきらかです。しかし(男性よりは性質として得意なはずであっても)女性の中では、共感する感覚が高い人もいれば、(女性比で)低い人もいるのです。ここは個人差が大きいです。

共感する感覚、つまり相手が考えていることや、こう言ってほしいのかなと推察してわかるという感覚が、平均よりも低い人がいます。そうすると、共感という感覚をそもそも自分も感じないし、自分が他人に求めることもあまりないので、その重要性がピンとこない場合が多いかもしれません。

本心から共感できないことに、合わせたくない人もいる。

相手の考えていることはだいたいわかるし、合わせてあげたら喜ばれるのかもしれないが、自分の本心はそうではないから同調したくないという性格の女性もいます。本当に心から共感できるときだけ共感する関係になりたいと、自分の主張がそれと違うときに、はっきりノーをいってしまって、仲間の輪に入れないというケースもあります。

馴れ合いがの関係が嫌であるとか、表向きの態度だけ「そうだよね」と言いたくないという気持ちが強い人も、共感を「できる」が、言動として「示さない」ので、うまく関係がつくられなかったり集団に馴染めなかったりします。

女性同士の関係を、うまくやりたい意向はあるのか。

女性同士の関係がうまくつくられない人は、大きくわけると上記の2つの理由で在ることが多いのですが、理由はさておき、「結論として、あなたはどうしたいのか」ということをまずは考えてみていただきたいですね。さらには、自分のこうしたいという意向とは別に、「うまく関係をつくっていく必要性がどのくらいあるのか」という点も。

自分としては、そんなに友だちを求めていないけれど、親戚内の関係やママ友関係をうまくやらないと立場上まずいから、という状況などもあるかもしれません。そういう場合は、自分の意向だけでは決められませんよね。総合的な判断が大切です。

しかし、生活上でそうした必要性は高くなく、うまくやらなければならないと思い込んでいたけれども、改めて考えてみたら困っていないのだから、自分は自分とわりきって今のままでいい、という結論になることもあるでしょう。困っていなく、寂しくもないなら、それももちろんアリの判断です。

共感力が低い人は、言動をマニュアル化するといい。

共感する力が低い人が、女性同士の関係の中でうまくやっていくには、「マニュアルのように、共感にふさわしい言動を覚えてしまう」ことですね。こういう場面では、こんなセリフで相手に寄り添うといいという、パターンをつくってしまうことです。

とはいっても、簡単にはいかず、そのパターンを作り上げるまでには、頓珍漢な対応をしてしまうこともあるかもしれません。それでも、だんだんと慣れてコツがわかってくるようになります。一番いいのは、合わせるのが上手な人のセリフなどを参考にして取り入れることです。

本音でやりたい人は、他人の輪を乱してしまう可能性を考える。

本音で共感できる部分にしかしたくない、と思ってしまう人は、「割り切り」が必要になります。人は皆それぞれ違う個性をもっているのだから、同性だから感性が近い部分はあるとはいえ、すべてが同じわけはないし、実際のところ共感できる事柄ばかりでもないでしょうから、気持ちはわからないではないです。

ですが、女性同士で盛り上がって楽しくやっている人のすべてが、本音だけでわかりあっていることはなく、ある程度は誰もが「合わせている」ということを理解しましょう。浮かないように、その場をうまくやるようにと、自分の感情的な納得がついてこなくてもうまくあわせているからこそ、その場が収まっているのです。

そこにあなたが「とっても正当な本音の主張」をしてしまったら、そうして合わせてなんとかやっている人たちの輪をも乱してしまうことになります。(本音でやりたいという)正義感の強い方であれば、輪を乱してしまうようなことは、本意ではないはずです。

なんとかやっていくことも、学びのうち。

このように文章化すると、女性同士の繋がりとは苦しくて大変なことばかりのようですが笑、そんなことはありません。割り切りの上でほどよくあわせるという振る舞いが、ちょうどよい距離感となって助かることも多々あるものです。

助け合ったり、励ましあったりするには、本音だけじゃない関係がむしろちょうどよい場合もありますからね。

そういうメリットもあるからこそ、女性同士の密な繋がりは面倒だと思いながらも、そこから浮いてしまうのを恐れるのでしょう。役立つことも多々あるのが女性同士の繋がりなのです。女性同士の集団には、結構、「力」があるんですよね、いろんな意味で笑。

楽しもうとしなくていい。楽しくなってくるのを待つ。

女性同士の関係が楽しい人もいれば、そうでない人もいます。

そうでない人は、「自分だけが、楽しめなくて苦痛ばかりで、変わっているのだろうか」と、自分の悪いとこを見つけて、改めていき、関係を楽しめるようにならなくては…というプレッシャーになって、ますます苦しくなることがあります。

しかし、楽しめない人は、意外とたくさんいるものです。あえて合わせずに、距離をとってひとりでいる人もたくさんいます。ただ、そういう人同士で知り合う機会がないので、(繋がりが苦手な人は、つるまないので)自分以外にも同じような人がいるとわからないだけです。

そういうことも、知識としてわかっておけば、合わせていくのが気楽になりませんか。いろいろあっていいんだと。そういう人もたくさんいるんだ、と。

その上で、自分はまずは合わせてやってみよう、うまくいかなくてもいいから、繋がりの中で学べることを学んでみようと、意欲をもっていくことができるのではないかなと思うのです。

そうして関わりを重ねていくと、疲れて負担になることはゼロにはできなくても、以前より少し気楽になってきて、笑いや喜びを分かち合うという関係も悪くないかもと思えるようになってきたりします。

ゆっくりと、慣れとともにそうなっていくと思います。

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