本当はいろんなことが高いレベルでできるのに、なぜか「自分は、できない」と思いこんでしまう、考え方のクセをもっている人がいます。
こういうタイプは、実は「できない自分でいたい」「できない人、という扱いをされていたい」という思いを、根底に持っているケースが多いですね。
なぜなら、そのほうがメリットがあるからです。
弱い自分でいるほうが、他人に関心を向けてもらえたり、できないほうが、他人から嫉妬をされないので安心だ、という思いがあったり。
「できないことが、苦しい・・・」というのは表面的な感情で、もっと深いところには、「できない自分でいたい」という無意識の思いがあることに気づき、その制限を手放すことで、こういうタイプの人は、自分らしさを発揮することがスムーズになっていきます。
本当は能力が高い人ほど、このタイプが多いのです。
主な理由は2つあります。 ひとつは、たとえば、子どもの頃に、能力が高いことで嫉妬されたり攻撃されたりした経験からの、認識のねじれがあることです。
嫉妬から自分を守るために「できないフリ」をしていることで、人間関係がうまくいくので、そのほうが楽に思えて、実力を出さないのは「よいこと」だと思ってしまったケースです。
もうひとつは、同じく子どもの頃などに、周囲の大人から「あなたは能力が高いので、自分でできるから手を貸さなくても大丈夫ね」的な扱いをされて、本当はその扱いが辛かったというケースです。
自分もっと手を掛けてもらいたかったという感情が、大人になってでてきてしまい、できない自分でいたくなるのです。
特に、長女さんで、下に弟や妹がいるケースでは、「あなたはお姉さんだから、我慢して」という扱いになって、何でも「できることに、されてしまった」経験があると、大人になってから反動がでてくることがあります。
本人としては、そんな思考をしているつもりはなくて、本当にできないのだと思い込んで、「できない自分に、深刻に悩んでいる」ものです。
これらは、自分が他人からどう扱われるかに敏感で、かつ、子どもの頃の不満とのセットで発生してしまう思い込みです。
本当の自分は「できる」ことを認めるためには、他人が自分をどう扱うか・・・ではなく、自分が自分をどう扱うか、というところへ、判断の基準をシフトしていく必要があります。
しかし、これがなかなか難しくて苦しくて、上記の仕組みには気づいても、思考と行動を揃えていくまでには、早くても数ヶ月、または年単位の時間が掛かることがあります。
けれど、それだけの時間をかける価値はありますし、人生で必要なことには必ず向き合わされるものです。
今、このような問題の解消のプロセスにある方は、自分の心の底にある、過去の感情について、考えるところからスタートしてみるとよいと思います。
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