話のスタートが、「否定から」になっていないか振り返ってみる。

人と会話をするときや、相手に説明をするときに、「まず否定をしてから、本題に入る」という会話パターンになってしまう人がいます。こういう会話スタイルは、相手にあまり肯定的な印象を与えないものなので、注意することが大事です。

話している本人はもちろん悪気はなく、相手がわかりやすいようにと配慮した「詳しい説明」をしているツモリです。

ですから、人間関係にうまくいかないことがでてきても、原因がわからないことが多いようです。

 

事実の説明のつもりが、ひと言多くなってしまう。

まず否定から入る話し方とは、たとえば「山田さんって、話し方が下手だけれども、良いところもあるよね」、「あのお店は古いけれども、内装は洒落ているね」、「最初は嫌だったけれど、慣れてきたら良さがわかってきた」というような言い方です。

そういう表現のすべてが悪いということではなくて、それが状況の描写として適切ならば問題ありません。または、たまにそういう話し方になるならそれほど気にもなりません。

ですが、毎回、会話のたびに、「まず否定パターン」が重なると、聞く側の人はとても疲れます。

聞く側からすれば、「この言い方は、ただ前置きの説明をしているのか、嫌みを含めていっているのか、どちらなのだろうか、どんな切り返しや返答をすればいいか」と考えなければならなくなるのは負担があります。

また、「否定というエネルギーは重い」ので、その重さを相手に感じさせることにもなります。

話す側としては、事実をそのとおり言っているのだし、という思いもあり、また、その後の内容でちゃんとフォローになっていると思っているので、あまり気にしていないことが多いです。先にも書いたように、事実そのとおりの説明を、たまたまするだけならば問題はありません。

ですが、しょっちゅう「このパターンばかり」になると、相手が疲れてしまい、人間関係はスムーズにいきにくくなります。

こういうことは、観察力に優れていて説明が上手な人が、ついやってしまう「過剰さ」なのです。理路整然とわかりやすく話そうとして、事実の描写を増やすことが、こういうやりとりになって、配慮のつもりが逆になって誤解されてしまうことも、多いようです。

無意識に、そういう言い方が習慣になっていないか、ときどき振り返ってみることが大切ですね。否定の部分は、事実であっても、言わなくてもいいし、言わないほうがスムーズな場合もあるという受け止め方をしていくといいですね。

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