問題点の解決方法を考えたり、思い通りにいかないことに不満になったり不安になったりするときの、自分的な認識として、
「自分に何か原因があって、こうなったのだろう」と、自分が悪いと思うタイプと、
「自分には原因がなく、相手のせいで自分が損をしている」と、世の中や相手が悪いと思うタイプの方がいます。
実際のところ、原因というものは複数の要素が絡んでいるもので、どちらかひとつにまとめられるものではありません。
解決や改善のためには、そうした狭い範囲のとらえ方はできないので、広く全体をとらえてみる視点が必要です。
しかし、そういう視点の向け方に「なってしまう」のは、生まれ持っている気質的なものも関連しているので、それぞれに合った考え方や、行動の仕方をとっていくのがいいでしょう。
「自分が悪いと思ってしまう人」は。
自分が悪いと思ってしまう人が、まず取り組むべきところは、「思考のしかたを少し変えてみること」です。
そういう認識になってしまうタイプの人にとって、ある基準にそわせた思考をしていくことはそれほど難しくはありません。
なぜなら、自分が悪いと考えてしまう方は、普段から周囲を気にして合わせて振る舞っているので、「適応力が高い」場合が多いからです。
つまり、自分を変化させることになれていますから、自分の中での納得があれば、思考の仕方や認識の仕方を変えることができます。実際に変わっていくまでの時間は掛かっても、変えようという意識になっていくことは、このタイプの方には可能です。
具体的には「自分が悪いから」という考え方を、「そもそも、どちらが悪いとか誰が悪いとかの問題ではない」という考え方に置き換えていきます。
ものごとが思い通りにならない理由は、何しら存在しますよね。それが自分で変えられることかは別として。
しかしそれは「悪いから」ではないのだということ。
悪い以外の理由で、そうなることも多々あるという認識をしていくと、今まで悩みだと思っていたことが、日常によくある出来事のひとつのように、認識が軽くなったり緩くなったりしていくことも多いのです。
こうして、どちらかが悪いからそうなる→自分が悪いのだろうという、極端な考え方から、抜けていくことになります。
「世の中が悪いと思ってしまう人」は。
上記のケースとは違い、「自分は悪くないのに、こうなってしまう」と考えるタイプは、思考を変えることから解決の糸口をみつけるのは、なかなか難しいようです。
「自分は悪くない」と考えがちな方は、言い換えると「相手が悪い」「世の中が悪い」「世間が悪い」と思っていますから、変えるべき(変わるべき)は外の世界であるという前提で受けとめています。
そうしたちょっと極端になっている解釈を、「どちらが悪いとかの問題ではない」と置き換えたとしても、それだけでは「自分」を変えることにはなりにくいのが、このタイプの難しいところなのです。
世の中が悪いわけではないんだ、と考え方を変えても、それだけでは「自分は悪くない」がそのまま変わらず、思考の変化が自分の人生に反映する度合いが小さくなってしまいます。
または、じゃあどうすれば?というその次のステップをうまくみつけられなかったりすることがあります。
こちらのタイプの方は、「行動を変える」ことのほうが効果が高いです。
「自分は悪くない=世の中が悪い」タイプの人は、自分への信頼や肯定はしっかりしているので、フットワークが軽くバイタリティーがあり、行動することは難しいことではありません。
(思考のしかたを変えるという方法ではなく)行動にエネルギーを注ぐことで、思考への比重が偏らないようにするという方法で、全体的なバランスがとられていくようになります。
こうして、どちらかが悪いからそうなる→自分以外の何かが悪いのだろう、という、極端な考え方から、抜けていくことになります。
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