自分の感情と、つきあっていくということ。

若いうちに経験した苦しい感情は、大人になって振り返ってみれば、懐かしさを伴う「過去」になっているものです。もう立ち直れないくらいの惨めさや、一生忘れないと思うような怒りを、当時は心の底から感じたとしても、その思いが数ヶ月も、数年もは続くことはありません。

改めて思い出すと、ちょっと切ない気持ちにはなるとしても、「時間の経過」が感情を薄れさせてくれたり、解決してくれている部分は大きいのでしょうね。

しかし、大人になって経験した苦しい感情は、なかなか過去になってくれず、いつまでも切なさが薄れていかずに、心の中に留まります。

大人になるほどに、時間が早く過ぎていく感覚になるというのに(^_^;)、時間が感情を薄れさせていく度合いは、どうやら小さくなっていくようだ、という矛盾?があります。

若い頃は、人生経験が浅くて、まだ知らないことが多いですから、ものごとに対する耐性がなくて、ちょっとしたことで傷ついたり苦しくなったりしていくものです。

しかしその分、新しい刺激を感じられる機会も多いですから、違う刺激、違う感情が苦しさを上書きしてくれることで、ある意味、バランスがとられます。

大人になると、人生経験が増えていき、ある程度の想定をもって動くことができる分、新たな刺激を感じる機会も、大きな感動となる度合いも、減ってしまいますから、

発生した苦しさや怒りの感情は、なかなか過去になってくれないのですよね。。。

時間はたっても、「大きな感情の経験の、最新」であることが、簡単には更新されていかないので、苦しさが続いてしまうことになります。

大人になるということは、ある程度、そうした感情を抱えながら、過ごしていくことも学びですね。そういう考え方が必要です。

若い頃はキャパが小さくて、すぐにいっぱいいっぱいになってしまうけれども、大人になれば、キャパが広がりますから、感情の上書きがなされなくても、そのままで前進するという割り切り方もうまくなっているはずなので。

いろんな感情を、そのときどきの立場で経験するからこそ、「わかること」が増えていきます。

それが、大人になるということでもあるのでしょう。

一度発生した感情が、簡単には薄れないからこそ、自分を省みる機会となったり、相手に配慮をする必要性を実感したりと、気づくことも増えますからね。

自分の感情とつきあっていくという姿勢がいいと思うのです。

感情(を、何とかしよう)と、戦わずに、つきあっていくという考え方が、自分を楽にしてくれます。

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