人の存在をたとえるならば、多面体でさまざまな色に輝くダイヤモンドのようなものです。たくさんの面を持ち合わせていて、磨くほどに光って輝きます。
持ち合わせているすべての面が、自分の一部分です。どの面が正しい自分で、他の面はそうではない、というような区分けは存在しません。
面積が広い面も、狭い面も、磨きがよく掛かっている面も、そうでない面も、
すべてが自分です。
自分とは多面体でたくさんの要素をもっている。
ときどき、自分が関わっていることや、あらわしていることのうち「どれが本当の自分なのかわからない」というご相談をいただくことがありますが、
どの要素もすべてが自分の中にある一面です。
人は多面体で立体的なものなので、この部分が自分で、その他は自分ではないというような、わかりやすい区分けにはなりません。
たとえば、ダイヤモンドを眺めていて「たくさんの面のうち、どの一面がダイヤなのか?」という考え方はしないように、
自分自身についても「たくさんの面がある、その全部が自分」だととらえていけばいいということです。
たくさんの面をもっていることを、いかしていく。
自分にはこういう一面もあり、まったく違う一面もあり、いったい「どれが本当の自分なのかわからない」と悩んでしまうのは、
平均よりたくさんの面をもっている人に、よくみられる傾向です。
少ない要素には、共通点をみつけやすすく、
たくさんの要素があれば、共通点よりも、それぞれの違いのほうが目立ってくるからでしょうね。
それが自分の中で、どうもうまく解釈が収まらずに、
「本当の自分ではない、違う自分があるからこうなってしまうのだろう」
「ならば本当の自分を取り戻さなければ!」
「では本当の自分とは?」
という、悩みになってしまうのでしょうけれど、
それは、悩むようなことではないのです。違う要素をも併せ持つ、幅広さゆえのことなのですから、逆にありがたいことですよね。
あれも、これも、全部が自分であるととらえていけば、それは悩みではなくなり、幅広いセンスや才能という財産が与えられているとわかり、
それらをどういかしていくという、新たな楽しみや期待が、心に広がっていくのではないでしょうか。
コメント