大人になるほど、達成の可能性が限定される、という思い込み。

大人になって年齢が上がってくると、慎重さが出てきて、現実を知っている分、夢をみることもできにくくなり・・・、可能性が限定されてくると、思っている方が少なくないようです。

確かに、現実を考慮しない夢は、抱きにくくはなるでしょう。 けれど、そのことと、何かを成し遂げる可能性の広さとは、実はそれほど関連性がないという考え方もできます。

若い頃は、たくさんの可能性があった・・・ように、思えるだけで、実際のところは、今も、若い頃も、それほど違いはない場合もあるのです。

若い頃のほうが可能性が多いように思うのは、世の中を知らないし、そして自分自身をも分かっていないので、現実的ではない選択肢をも、「可能性」に含めて考えているからです。

大人になって、可能性が少ないように思えるのは、世の中を知っていて、そして、若いころよりは自分を知っているので、現実的ではない選択肢を、最初から数に含めて考えないためではないでしょうか。

たとえば、子供の頃に「パイロットになりたい」「パン屋さんになりたい」「刑事になりたい」と思ったことを、「あのころは、夢があった」ととらえるのはいいとしても、可能性が広がっていたかというと、それはまた別問題だと思うのです。

向き、不向きがありますし、実際に職業を考えて行く年齢になったら、やりたい気持ちも薄れているのが、子供の頃に抱いた、現実的ではない、文字通りの「夢」ですよね。

子供の頃の夢を叶えた人と、子供の頃の夢を叶えてない人の数を比較したら、きっと、後者のほうがずっと多いはずです。

そして、さらに「叶えたいのに、叶わなかった」人と、「子供の頃はそう思ったが、大人になったら考え方が変わったので、あえて叶えなかった」人の数を比較すれば、こちらも、きっと、後者のほうがずっと多いと思うのです。

達成するかしないかを考えずに、純粋に夢を抱ける、という意味での幅の広さは、若いころのほうが多いのは確かですが、「達成を前提とした可能性で、現実的に考えるなら、可能性は、大人になっても、それほど極端に減るわけではない」という考え方もできます。

 

大人になれば、体力は落ちますし、やらなければならないことも増えていくし、責任も重くなり、若い頃より負担が増えていく部分はあります。

けれど、その分、大人になるほどに、世の中を見る目が養われて、経験も知恵も増えていくのですから、その点を差し引きをすれば、同じか、多少は幅が狭くなるかも、というくらいの差ではないのでしょうか。

でも、現実を考えたら、何でもはやれない、大人になるほど、失敗はできないじゃない、とも思うかもしれません。けれど、若い頃だって、そんなには違いはないはずです。

「今の、大人の感覚で若いころを振り返れば、(何でもやれたのに、と)そう思う」ということであり、実際には、若ければ若いなりの相応の理由はあって、何でもは、できないものです。

単純に、非現実的ものも含めて「夢を抱いていられる」という心の柔軟さは、若い頃のほうがずっと高いのは確かです。大人になれば、そういう要素は減ってくるでしょう。

けれど、「何かを達成する可能性」に限定して比較するなら、実は、それほどの違いはなく、若かろうと大人であろうと、やれないことはやれないし、やらないと成されない、という点は共通で・・・、「やれることを、やってみよう」と、どの時点で決心できるか、そこが大切なポイントだと思います。

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