前世から引き継いだ、思考と行動のパターンを変える。

自分が無意識で「そうしてしまう」「そうなってしまう」、思考や行動のパターンが、前世の経験から引き継いでいるものだとしたら、そのことが自分の中に作られていくまでには、複数回の前世をまたいでパターンをくり返していることが多いでしょう。

現実的な行動にたとえると、早起きをするとか、決まった手順の行動をとるなどの生活習慣も、何度もくり返すことで根づきますよね。それと同じで、前世の経験が「生まれる時点で備わっている」要素となるには、相応の経験値のくり返しがなされていると推察されます。

杯を手にして座る女性

そうなるとなかなか、生まれ持った思考や行動のパターン、価値観の規準を変えることは難しいものであるとわかります。何度もの人生を費やして、同じ溝をなぞるかのように、そのパターンの刻みを深くしているのですから。

人はどうしても、なじんでいるパターンにひきずられてしまい、良くも悪くもそれをくり返してしまうものです。紙についた折り目のように、エネルギーの通り道がついてしまっているからです。

しかし、その上から新しい折り目を、意図的につけていくことをくり返せば、回数が重なるごとに、新しいほうが活力をおびてきて、そちらの折り目が優先されていくようになります。

既に存在しているパターンも、自分がエネルギーを注がなければ、少なくともそれ以上に強化されることはありません。リアルタイムで力を掛けているものが強化されていくので、自分が意識的になれば、パターンの軌道を変えることも、簡単ではないけれど可能ということになります。

人生の前半のうちは、自分がついそうしてしまう思考と行動のパターンがあるというそのことにも、なかなか客観的になれません。中盤以降になってやっと、過去の比較対象となる経験が多くなることで、パターンを見つけることができるようになります。

そのうちの良いものは残し、そうでないものは新しいパターンをつくる。そうして少しずつの調整をすることが、自分の成長にもつながります。

ちなみに、あまり歓迎しないパターンがついている場合も、それは悪いことではなくて、おそらくは「前世での時代では普通」だったり、「特定のシチュエーションでは必要だった」ものです。しかし、時代はかわりますし、立場もかわりますから、以前は必要で望ましいパターンも、時代を超えたときに、そうではなくなることもあり得るという、それだけのことですね。

今世での学びに合わせて、よりふさわしいものを自分の中に根づかせていくように、微調整をするのだととらえるといいと思います。

過去の否定から変えるのではなく、肯定した上で、必要に応じて変えようという意識になることができますからね。

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