前世での職業を知ることは、今世での職業選びに役立つのか。

ときどき聞かれる質問のひとつです。自分が前世でどんな仕事をしていたかを知ることは、この人生での仕事選びをするときの参考になるのか。つまり「前世と似た仕事を選ぶと経験値がいかされてうまくいく」、または「前世で経験していないことは今世でもうまくいかない」という、共通要素がみられるか?という質問です。

答えとしては、ひと昔前なら多少の参考にはなったと思います。10年前とかであれば。数年前とかでも幾らかは役立ったかもしれません。しかし、今は……どうでしょうか、そこまで役立つ情報には「ならない」気がします。

理由は以下のとおりです。

古い時代の中国の少女

前世と今世では、存在する職業が違っている

人は何度も生まれ変わっていて、人生という経験からたましいの学びをしています。前世の経験が多い人は、それだけたましいが「物知り」である可能性が高く、前世でも経験していることは、他の人よりも上達スピードが速いなど、優位性がでてくることは多いようです。

それなら、前世の職業と似たものを選ぶほうが結果がでやすいかというと、今の時代は「昔は存在しなかった新しい職業がとても多い」ので、そういう選び方では選択範囲が狭くなってしまいます。

この点が、私があまり前世とからめて考えすぎないほうがいいと思うポイントなのです。新しい仕事で大活躍している人は世の中にたくさんいます。彼らは前世とは別の職業で力を発揮している人たちですよね。そう考えると、どちらが自分のためになる基準なのか答えはきまってくると思います。

さらには、前世と今世では、ひとりの人が担う作業の種類も違います。

冒頭で、10年前とか、数年前なら多少は参考になったと書きました。今との違いは何かというと、当時はまだ「ひとりの人が行う作業が今ほどには多岐にわたっていなかった」ので、職業名は違うとしても、関わっているメイン作業に共通点がみられることはありました。

しかし今は、ひとりの人がいろんな種類の作業をすることが多いので、そこまでの共通点といえるほどではなくなり、また、すべての作業をリモートで行うという新しいスタイルについては、どのように共通点をはかればいいかも難しいです。

このように、もう現代の仕事スタイルが前世の時代とは違いすぎて、比較をすることもむずかしいということです。今でもそうですが、今後はもっとそうなるでしょう。

こうした理由から、前世の職業は「人生全般や生き方の参考にはなる」かもしれないけれど、「就職したり転職したりの判断基準にはしない」ほうが、今回の人生が豊かになっていくように思うのです。

現実的な基準で、たくさんの選択肢の中から、今の時代を反映した自分らしいものを選んでいくのが一番いいと思います。

コメント