「人からよく思われようと、そういう行動をとってしまう」という、周囲を気にすることと、「人から、自分がどう思われているのか気になる」ので、周囲を気にするのは、
一見、似ているようだけれども、これらはまったく別のことになります。
前者は、「このようにすれば、自分が、よい人だという印象になるだろう」と、他者が自分に向ける視点を、ある程度は理解しているからこその動きです。
または、他者の印象は、そうした行動によって作られていくものだという、自分以外の視点を少なくとも意識していることになります。
しかし、後者の場合は、他者が自分にどのような視点を向けているか、つまり、自分がどう見られているかが、あまりわかっていなくて、わかっていないから気になっているケースが多いです。
つまり前者は、ある程度は、自分がどう見られているかを把握したり推察したりすることができるのに対し、後者はそれがあまりうまくできないから、「どう思われているのか」という心配が続いてしまうということです。
「人から、自分がどう思われているのかが気になる」という、文字だけをみると、神経質で繊細すぎる点だけが際だつので、「そこまで気にしなくてもいいのでは」とか、「そういうことを気にせずに、自分の思うことをすればいい」というアドバイスが役立つように思えるけれど、
この場合は、「相手がどう思うかという、相手側の気持ちや立場を推しはかることがあまり得意でない」ことが、関連している可能性が大きいです。
つまり、相手が自分のことをどのように思っているかを、ある程度、推察できるようにならないと、こうした心配や不安が解消されていかないのです。
こういうタイプの人は、神経質で、気にしすぎるところがあるのはそのとおりなのですが、
相手の気持ちや立場への「共感」という把握や、第三者的な「客観」という見方をしていないか、慣れていないことも理由として存在していて、メインはそちらにあることが多いようです。
改善(気にして、心配しなくてすむようになる)ポイントはそこにある、ということに気づき、そうした感覚を「意識的に使っていけるように」なれたら、わかることが増えていき、心配は薄れていくようになるでしょう。
今まであまり働かせていないセンサーを活用するまでには、いくらか時間はかかりますが、ゆっくりと確実に、自分が楽になっていくものです。
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