他者に思うことは、自分にもある一部分。

他者に対して思うこと、言いたくなることは、その大部分が「自分への思い」なのです。

若い人に思うことは、「かつての自分に、教えたかったこと」で、年配の方に思うことは、「これからの自分に、役立つこと」です。

他者と自分は、繋がっています。

人とは多面体の存在で、とても複雑なものですから、どんなに自分の観察眼が優れていても、他者のすべてを把握できるものではありません。

わかることは、ごく一部分のみで、その「一部分」こそが、「自分と共通している点」なのです。

わかる部分に抱いた感想や思いは、相手という存在を通して、自分自身の一部分についての思いでもあります。

自分の中にないものを、相手の中に、見出すことはできず、自分の中にないものは、自分の感性が反応を起こしません。気になる、というその反応が、自分の中にあるそれを示していることになります。

誰もが、他人という存在を通して、自分を知るという作業をしています。

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