「苦しさという感情」を、深追いしない。

何かの出来事に反応して、苦しい感情が出てきたときに、その原因となる事柄を把握するために自分に向き合おうとして、自分を追い詰めてしまうことがあります。

苦しさという感情に向き合うと、そのことだけにフォーカスしてしまうことになり、気持ちのバランスがとられなくなることがあります。

逃げないことは素晴らしいけれども、やりすぎないほうがいい。

自分の内面を深く見つめていくことは大切であり、取り組もうとする姿勢もすばらしいけれど、逃げ道なく自分を追い詰めるくらいの自己探求は、場合によっては自分への「攻撃」になります。

たとえば、体を鍛えるトレーニングも、いきなり高負荷にしてもうまくできないし、無理をすると全体のバランスがますます乱れることになります。現状にあわせて、少しずつ負荷をあげながら時間をかけて、できないことができるようになっていくものです。

それと同じで、苦しい感情から逃げないことや目をそらさないことは素晴らしいですが「やりすぎ」には注意しなければなりません。

自分を成長させるための取り組みが、逆に自分を追い詰めて疲弊させるだけとなったり、偏った力の掛け方によって、むしろ現状よりもバランスが悪くなってしまうこともあるからです。

とっても苦しい感情が、自分の中に根付いてしまうまでには、かなりの長い時間、または回数が重ねられていることでしょう。

その解消のためには、同じくらいの長い時間が掛かってもおかしくはないのです。ゆっくり解消していくのが、ストレスが少ない方法です。

苦しい感情は、見つめて向き合っていかなければ!、というのは理性的な思考であって、感情的には、見たくないし向き合いたくない、気付かないフリをしたいもの、ですよね。

そうした(本当は気付きたくない)感情は、ものすごい早さで、理性にとらえられないように、頭と心をすり抜けていきます。その早さについて深追いし過ぎてしまうと、元の道が分からなくなって、向き合おうとする以前よりももっと、混乱してしまうこともあるのです。

感情を追っていき向き合うのは、「元の場所に、道に迷わず戻ってくることができる程度」までに留めておくほうがいいのです。物事を白か黒か、100かゼロかで考えるような、極端な思考をしがちで、かつ向上心が高い人が、この迷路にはまりこみやすいです。ゆっくりの成長と解消もできるのですから、無理をしないようにしましょう。

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