中高生の女子同士は、好きなこと、嫌いなこと、悩みごとから、どうでもいい話題まで、何でも話し合って、そうして人間関係を作っていきます。
そのくらいの年齢は、自分が話す内容に責任などがないですから、思うとおりの話題を展開して、気ままでいられます。
しかし、年齢を重ねていくと、だんだんと本音を言う機会は少なくなるものです。
置かれている環境の共通点が減ってきて、個人差が大きくなってくるのと、自分の発言に責任をもたなければいけなくなることなどが、関係すると思われます。
そんな状況の中で、大人になってもなお、身近なところに3人くらい、ときどき本音を言いあって、相談したり、支え合ったりできる間柄の人がいれば、気持ちが安定していくだろうなと思います。
深い話ができる相手は、限定される。
自分の悩みを話すというのは、つまりは、弱いところをさらけ出すことでもあるので、ある程度は深い付き合いができる相手に限定されてしまいます。
そうなると、せいぜい3人か、5人か・・・、多くてもそのくらいの人数になるのではないでしょうか。
家族等を含めて、そういう対象が3人いれば、どのような内容の困りごとにも、そのうちの誰かひとりくらいは、気の利いた回答をしてくれる可能性が高いと思います。
1人、2人だと、その関係が近いほど、価値観も似ているために答えが偏ることがあります。しかし、3人となれば、いくら近い関係性であっても、それなりに答えにバリエーションがでます。
そのまま参考にできるようなズバリの回答にはならなくても、ヒントは得られることが期待できます。また、「世の中には、いろんな見方をする人がいるな」とか、「自分の考え方がすべてではないのだな」ということが、納得しやすくもなるでしょうね。
何度も話すことで、論点が明確になる。
相談する回数が増えると、「相手へ説明して聞かせるための、話し方がうまく」なります。
話し方がうまくなるということは、それだけ、自分の中で相手に伝えたいことが明確になっていく、ということです。
自分が相談する場面で、相手に伝えたいこととは、「どうだろうかと、たずねること」ですから、つまり「自分が知りたいこと」ですよね。
たとえば「自分の姿勢は、これでいいだろうか」という相談をしているとします。初回は、うまく話題をまとめられずに、伝えたいことを言葉にできない経験をするかもしれません。
しかし、2回目、3回目と繰り返していくと、話のまとめ方もうまくなり、論点が明確な伝え方ができるようになり、「自分の姿勢は、自分では正しいと思っているけれども、他の人からみたらどう見えるか意見がほしい」というように、より具体的な伝え方ができるようになります。
そうした段階になると、話しているうちに考えが整理されていき、自分の中で自然と答えが定まることもあります。
何度も話しているうちに、輪郭がぼんやりしていた悩みが、はっきりした悩みになっていき、思考が整理されていくので、自力での気づきも大きくなるのです。
相談できる相手が複数いることの、ありがたさ。
大人が、自分の弱みに関連する内容の相談ができる相手は、限られてきます。
そういう相手を、ひとり得ることすらも簡単ではないです。大人の人間関係は、それぞれの責任もありますし、利害もありますからね。
そうした話ができる相手が、家族を含めてでも、複数いるなら、それはとてもありがたく、恵まれていることと言えるでしょう。
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