褒められることに、怖れがでてくる場合。

褒められることや、高い評価をいただくことに「恐れ」を感じてしまう女性は、意外と少なくないのです。

褒められると居心地がわるい、評価されることを受け入れられないという状態が、なぜ起こるのか考えてみます。

本音ではないだろうと、疑ってかかってしまう。

褒められると、何か居心地が悪くなる人は、その言葉を本音と思っていないのです。

「この人の発言は、本当は裏があるんじゃないか」とか、「この人は、無理をして自分に気をつかって、お世辞をいっているのではないか?」、「持ち上げた後で、落とそうとしているのではないか」と、いろいろ気になってしまい、素直にうけいれることができません。

いろんな人がいますから、ときには、上記のような意図で発言する人も居るかもしれませんが、そういう人ばかりではないですよね。けれど、一度、気になると、警戒感が先にたつので、なかなか素直になれないものなのです。

しかし、謙遜しすぎては、いい印象を与えない。

このタイプの人が、注意しなければならないことは、褒められたときの返答のしかたです。

褒められる状況になることを避けようとするあまり、「自分なんて、そんなことはないですよ」と、必要以上に謙遜したり、または、茶化した解釈をして冗談のような笑いに持っていったりと、不自然な対応をしてしまうことがあります。

せっかく褒めてくれているのに、不真面目な印象を与えてしまっては、自分ににも相手にもよいものが残りませんよね。

または、褒めている相手からすれば「あなたの言うことは当たっていませんよ」という反応をされたような、印象になってしまうこともあります。

この点は、注意が必要ですね。

褒められることに素直になれない、3つの理由。

以下のような3つの理由であることが多いです。上から順に、「多いもの」となります。

1,自己評価が低い、自信がない。

自分に自信がないので、褒められると、他人の言うことが過大評価に感じられ、それを常に期待されているかのようなプレッシャーになってしまい、不安で逃げ出したくなってしまうのです。褒められることが負担で重い、と感じてしまうんですね。その評価を受け入れてしまうと、ずっとその期待に応えつづけなければならないような、責任を背負わされたような気持ちになります。

2,相手に気を使わせるようで、申し訳ない。

優しくてよく気がつくタイプの人に多いです。自分がその評価を受け入れると、相手はこれからもずっと、評価を自分に与えなければならなくなったりしないだろうか、そういうプレッシャーを感じさせないだろうかと考え過ぎてしまいます。相手に気をつかわせてしまうような価値は自分にはない、と考えてしまうという意味では、自信のなさゆえで、(1)とも関連していますね。

3,バッシングされたくない。

同性からの嫉妬を恐れて、必要以上に自分を「三枚目キャラ」に見せようとして、せっかくの評価を茶化して誤魔化してしまうことがあります。遠慮や謙遜は、適度であれば一般的には美徳とされますけれど、行き過ぎると、褒めてくれた相手にも、発言したことへの気まずさを感じさせてしまいます。

プラスのエネルギーをやりとりする機会。

不安なとき、恐れがあるときには、自分にはそんな価値がない、申し訳ない、気を使わせて悪い、目立ちたくない、・・・いろんな感情がでてくるものです。

その気持ちはわかるけれども、自分の気持ちだけでなく、せっかく言ってくれている相手のことも考えてみましょう。

もしかしたら相手もまた「このような褒め方は、的外れではないだろうか」という恐れを持っているかもしれず、それを越えて褒めてくれたかもしれません。

謙遜しているのだとちゃんと伝わったらよいけれど、発言は迷惑だったのかと誤解させたら、それこそ「申し訳ない×10」な気持ちになりますよね。

褒める、という、プラスの言葉や思いをやりとりする機会から、お互いがマイナスな気持ちを抱いてしまうことにならないためには、褒められ評価されることに「慣れていく」ことが必要です。

ありがとうございます、と受けとめてみる。

慣れるための最初の一歩が「ありがとうございます」と、そのまま受け入れることです。気持ちの上で完全に受け入れられなくても、まずは、表面的な言葉だけでも心掛けてみましょう。

その表現だと、褒められた点を自分が全肯定しているようで、どうも居心地がわると悪いと思う場合は、せめて「お褒めいただき、ありがたいです」と、褒めてくれた相手の言動にお礼をいう、という形にしてみてはどうでしょう。

それなら、自分側にも、相手側にも、ちょうどいい「間」が生まれて、受けとめていきやすいでしょうから。

冒頭に書いたとおり、これは「女性」に起こりやすいことで、男性にはあまり見られれません。

男性は、そこまで複雑に感情を深読みしないか、または、感情よりも、事柄や事実のほうを優先する思考回路があるためだと思われます。

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