自分のことだけを考え、優先する時期が、あってもいい。

他人を考慮せずに、自分のこと「だけ」を、考えて振る舞うことを、「常に」行っている人は、自己中だとか、子供っぽいワガママという評価をされて、ちょっと下にみられたり、その考え方を改めるべきだと言われることもあるかもしれません。

けれど、ある程度の範囲内であれば、人は皆、自分を中心に考えますから、そうした言動も、自分を優先させようとする思いも、誰にでもある普通のことです。

人生80年、といわれる時代だけれど、その期間を、ずっと同じ条件で過ごせるわけではありません。

子供のうちは、世の中を知らないし、自由も権利もないし、自分の思うとおりの行動はそれほど多くは取れません。大人のような責任がないかわりに、実は、出来ることには、限りがあります。

年齢を重ねていくと、今度は、いろんな責任がついてまわり、子供の頃や、若い頃のような勢いに任せた行動は、取りにくくなっていきます。また、実際に、肉体的な体力も衰えるので、そういう意味での制限も出てきます。

そう考えると、人生のうちで、自分のことだけを考えて、自分を優先して過ごしていくことが可能なのは、ほんの一時期であり、それほど長い期間ではありません

あまりに度が過ぎた、自分のことだけしか考えない言動を、いつまでも続けていくのは困りものですが・・・、しかし、そこまでではない、許容範囲でのことならば、自分のことにじっくり取り組むとか、後先考えずに夢に向かっていくとか、大恋愛にのめり込むとかの経験も、貴重なものだと思います。

誰もが、一律、年齢を重ねていきますから、そのうち、どうやっても、自分のことだけを考えていられない、いろんな責任が肩にのしかかってくるようになります。

子供のこと、ご主人のこと、親のこと、会社の部下のこと、社会情勢のことなど、いろんなことを考えたり、心配したりしなければならない、そういう時期がいずれやってきます。

そういう時期にさしかかったとき、過去の経験、「自分のことだけに夢中になって、周りが見えていなかった若い時期」のいろんな思い出が、心の支えになることもあるでしょう。

「自分のことだけに夢中になって、周りが見えていなかった若い時期」の行動というのは、そのほとんどが、後になって振り返れば無駄な遠回りだったり(笑)、結果だけ見れば失敗だったり、挫折や苦しみがいろいろあったりするものです。

けれど、時間が流れて、大人になったときに、そのすべてが「苦しさも込みで、価値のあるすばらしい経験だった」と、思えるようになったりして・・・、その思いが、そこから先の人生を支えてくれることもあるのです。

長い人生のうちの、ほんの一時期ならば、自分を優先して、いろんなことに夢中になる時期があってもいいと思うのです。「そのように振る舞うことが、出来る」という状況って、当たり前ではない、ありがたいことで、そして、永遠には続かない、限られた時間です。それが可能なときに、十分に経験して味わっておくことも、時間という変化を経験するこの世の学びなのだろうと思います。

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