会話を弾ませるためには、やりとりのリズムを生み出すことが大切です。あまりに一方的では、活気が生まれず、話す側も乗れませんし、聞く側も集中力が持たなくなります。
けれど、会話の題材となっている事柄についての知識がない場合に、どのように、やりとりをして、リズムを生み出していいのか、分からない方もいると思います。
これは、コツがあって、会話のリズムというのは、質問を含めたやりとりで生み出されますので、知らないことに対して、質問をすればいいのです。
といっても、まったく知らないことであれば、的を射た質問を考えるのは難しいじゃない、と思う方もいるかもしれません。
けれど、知識のないことであっても、「その状況にふさわしい、ちょうど良い質問」というものはあり、それは、題材について知識のあるなしとは、無関係に、考えることができます。
たとえば、まったく聞いたことのない、とても小さなA国について、知識を持っている人がいて、その人が、皆に、自分の体験談を話す、という場面を考えてみます。
そういうときには、「A国と、あなたが関わりをもつようになった、きっかけとは、どんなことだったのですか?」とか、「A国を耳にする機会はあまりないのですが・・・・、日本との関わりは、どのくらいあるのでしょうか」とか、「現地では、日本人を見かけますか」とか、話を広げて、道筋をつくることはできます。
ここで、「A国って、どんなところですか?」と、あまりに範囲が広すぎることを聞くと、「どんなといわれても・・・」となり、話の糸口が作りにくくなることもありますので、前者のほうが、会話が盛り上がりやすいです。
もうひとつ例をあげると、企業の採用面接を考えてみると、その会社の社風や実際のところは、会社に入ってみなければわからないけれど、面接での会話は、聞く側も、答える側も、それなりにスムーズに、進んでいくものです。
「面接で質問するに相応しいこと」というのは、だいたい決まっているもので、その会社をどれだけ知っているか、という点には、あまり関係がないからです。
また別のたとえとして、イベント会場で、たまたま隣り合った人と会話をする場合は、「ここには、よく来るのですか?」とか「初めてですか?」とか、「どこから来ましたか?」とか、決まった話からスタートすると思います。いきなり、「あなた、お子さんは何人?」などと、聞かれることは、絶対にありません。
「はじめて合った、その場限りの関係の人に、ふさわしい質問」も、だいたいこういうものと決まっています。
つまり、知っていることであろうと、そうでなかろうと、その場の質問にふさわしいパターンは、だいたい決まっている、ということなのです。
そのパターンを、掴んでしまうと、質問という会話形式はとても楽になり、余裕も生まれるので、相手をリズムに乗せる、という主導権もとりやすくなるのです。
会話が苦手な人は、相手の話についていける比率を上げなければ、と思い、いろんな知識を仕入れることに一生懸命になりがちです。それも必要なことではあり、有意義でもあるとは思いますが、知らない話題でも、上手く会話をしていくコツをつかんでいくと、より、スムーズな関係が作られていくと思います。
その場にふさわしいパターンというもの(一般的なもの)をつかむことと、そして、自分なりの、どんな場面に使えそうな質問のパターンを、いくつか用意しておくとよいでしょう。
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