解決の「糸口」という言い方があります。糸口とは、糸の端のことで、こんがらがっているものごとの状態を、糸がからまっているようすにたとえて、ほどくための手がかりとなる部分を見つけるときに、この表現がつかわれます。
数本の糸がからまっているときは、糸の端はたくさんあります。しかし、一本の糸がからまっているなら、糸の端は2つだけです。
たくさんの要素や、たくさんの人数が関係して混乱している状態は、糸の端もかなりたくさんある・・・ように思えるけれど、そのうちの「自分が何とかすることができる糸」は、そう多くはないことが大部分です。
糸の端を見つけたとしても、自分から遠い場所にあったり、まったくの他人の領域のことだったりすれば、からまったものをほどく力を自分から働き掛けることは難しくなりますよね。
実際のところ、自分から解決のための働き掛けができる箇所は、ほんの数カ所くらいでしょう。ひとつか、ふたつか。または、もう少しあるか。
できることはそのくらいで。
そして、必要で、効果的な手段もそのくらい、なんですよね。
それ以上になると、解決のためのその動き自体が複雑になり、からまったものごとをほどくための効果的な手段にはなりにくいのです。
自分に近いところから、自分の力が及ぶ範囲で、糸口となるところを探していくのが現実的です。
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