セッションで「他界している身内の霊は、自分や家族を守ってくれているだろうか?」という主旨のご質問をいただくことがあります。
スピリチュアリズムの観点から解釈すると、他界された身内の霊と、ご自身との関係は、「血縁という繋がりの、この世における人生の先輩」という位置付けとなります。
たとえば他界されたお祖父さんやお祖母さん、そして自分自身という存在のそれぞれに、今回の人生という経験から学ぶ目的が存在します。
こちらの世界では、血縁の中での年長者は、年少者を助けたり守ったりすることはありますが、あちらの世界へ戻られた方たちに、その後も、助けや守りを期待してしまうのは、少々、こちらの世界の繋がりを当てはめすぎているかもしれません。
守ってくれていないわけではないですが・・・、そこは、わけてとらえていくほうがいいでしょう。
身内としての思い入れや情は、持ち続けているものです。
もちろん、身内としての情は持ち続けていますので、あちらの世界からかわらず気に掛けてくれることはあると思いますし、応援したり、心配したりすることもときにはあるでしょう。
しかし、この世の子孫たちを「守る」ということになると、そこまでは少々、期待し過ぎであろうかと思います。
こちらの世界への働きかけというのは、そう簡単にはいきません。
霊という存在になって、肉体という物理的な制限がなくなったといっても、子孫を助けたり守ったりするような働きかけが、すぐに可能とはならず、そうなるまでには、こちらの世界での感覚で「時間」の経過が必要となるようです。
また、他界された方にも、その人自身の霊としての進化向上という学びがあることも、忘れないようにしたいものです。
お互いに、それぞれの学びに取り組んでいく。
こちらの世界に生まれてきて、人としての経験を積むことができているのは、大勢の先祖となった方たちが、紡いでくれた家系という縁があったからです。
そのことに感謝し、生前のやりとりを思い出して力にしたり、与えてもらった経験からの知恵を日々の生活に反映させて、この人生を充実したものにしていくことが、恩に報いることにもなるでしょう。
あちらの世界から、こちらの子孫を気に掛けてくれて、助けてくれるようなことが「もし、あるならありがたい」というような受け止め方が、度合いとしてちょうどよいのではないかと思います。
自力を大事にして過ごしていく姿勢は、あちらの世界から眺めていらっしゃる方たちにも、安心を与えることにもなるでしょう。
絆は、いつまでも在り続ける。
他界されても、この世を通した、身内という繋がりは存在し続けますから、助けたり守ったりという形ではなくても、絆は繋がっていますね。
その絆があることに感謝して、こちらはこちらで、自分の人生の学びを頑張っていくという姿勢でいることが、お互いにとってベストな形の繋がりではないかと思うのです。
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